第五回「スタンドと本体の関連性について」
スタンドは本体の精神に影響され、それ故に能力にせよ外見にせよ、本体との様々な関連性を持つものが多いです。今回はそういうスタンドについて見ていきます。表記は、スタンド名<本体名>改行して解説、の順です。
本体との外面的な関連性のあるもの
- スタープラチナ<空条 承太郎>
- 非常に解かりにくいんですが、スタンドがつけているハンドグローブ?に鉄の鋲(びょう)のようなモノがくっ付いてますよね。
実は、第一部ジョナサン、第二部ジョセフが最終決戦の時つけてるグローブにも同じようなものが同じ位置にくっ付いてるんです。それぞれ細部は違うものの、殴るシーンのアップになると手が全く同じと言っていいような描き方になります。
初めて見つけたときはビックリしましたよ。これも共通点、と言って良いのかな?
- ハングドマン<J・ガイル>
- 本体と同じく「左手が右手に」なっている。
- エンペラー<ホル・ホース>
- 本体は西部劇のガンマンのような服装をしていますし、スタンドも拳銃型です。どっちが先だったのかは分かりませんが。
- ホウィール・オブ・フォーチュン<Z・Z(ズィー・ズィー)>
- 本体は、車型スタンドの窓から出ている腕の部分だけがムキムキです。しかし関連性と呼んでいいのかどうか……。
- ザ・フール<イギー(犬・ボストンテリア)>
- スタンドも四足で、かつ前足が犬と同じような形です。
- ゲブ神<ンドゥール>
- 本体と同じく視覚を持ちません。
- ホルス神<ペット・ショップ(隼)>
- スタンドも嘴がついていて非人間型。
- ザ・ワールド<DIO>
- 体中にハートをくっつけている本体のファッションに影響されたのか、スタンドヴィジョンにもハートが見受けられます。
- ザ・ハンド<虹村億泰>
- 本体が着ている改造学ランと同じように、肩や膝に「¥」と「$」の文字があります。
- ラブ・デラックス<山岸由花子>
- 非常に不確かなのですが、彼女は元々髪の毛が綺麗で、それがスタンド能力に影響しているとも考えられるのではないでしょうか。
- ラット<虫喰い&虫喰いでない(ドブネズミ)>
- ネズミ型の砲台っぽい外見をしています。
- キラークイーン<吉良吉影>
- 本体のいつも着用しているネクタイに使われているドクロマークが、スタンドの肩や手の甲などにもくっついています。また、「第2の爆弾」シアーハートアタックもドクロです。
- ゴールド・エクスペリエンス<ジョルノ・ジョバァーナ>
- 本体の好きなテントウムシがスタンドの胸、腰、手の甲にも見られます。また、イタリア語で「日」を意味する、本体の「ジョルノ」という名前(といっても本名ではないんですが)と、「太陽(つまり「日」)」を象徴するというテントウムシの関連性も見落とせないでしょう。
- スティッキィ・フィンガーズ<ブローノ・ブチャラティ>
- 本体のファッションと同じように、外見に「ジッパー」がついていますし、能力も「殴ったものにジッパーをつける」能力です。。
- ミスター・プレジデント<ココ・ジャンボ(亀)>
- 本体の甲羅には鍵の形の凹みがあり、そこに鍵を埋め込むと能力が発動します。凹みはどのように出来たのかが不明ですが、一応加えておきます。
- ノトーリアス・B・I・G<カルネ>
- 似てます。全体的に(笑。
- スパイス・ガール<トリッシュ・ウナ>
- 本体もスタンドも脚にブーツを履いています。
- マンハッタン・トランスファー<ジョンガリ・A>
- 本体は白内障のために視力が極端に低く、スタンドにも視覚は存在しません。
結構多いですね。どちらがどちらに影響を受けたのかは分かりませんが、本体の精神に影響を受けていると考えると、おそらく本体が先だったのでしょう。
また、ジャスティス<エンヤ>のスタンドの左手は、本体のそれとは違って右手ではないため、スタンドと本体の外見的特長は必ずしも一致するわけではないようです。
第六部に登場した、ホワイトスネイクよってスタンド使いになった者は後で別項を設けます。
本体と内面的な関連性のあるもの
- シルバー・チャリオッツ<ジャン・ピエール・ポルナレフ>
- 本体の持つ「騎士道精神」(アヴドゥルの台詞より)に影響されて騎士の姿をしているのか、それともその逆なのかは不明ですが、どちらにせよ関連性が認められます。
- アヌビス神<キャラバン・サライ>
- 刀鍛冶の本体が生み出した、刀にとりついているスタンド。
- セト神<アレッシー>
- 「交わったものを若返らせる」能力は、子供に対してのみ強気で大人の前では攻撃を仕掛けない、弱いものに対して強い、という本体の変態性に影響されていると思われます。
- オシリス神<ダニエル・J・ダービー(兄)>
- ギャンブル好きの性格が色濃く反映されています。
- アトゥム神<テレンス・T・ダービー(弟)>
- 兄のスタンドと同じく、ギャンブル好きの性格が現れています。
- クリーム<ヴァニラ・アイス >
- 本体のドス黒い精神を体現するように(ポルナレフ談)、その能力は「口の中の”暗黒”空間にすべてを葬る」ものです。
- クレイジー・ダイヤモンド<東方仗助>
- 承太郎曰く、「世界で一番やさしい能力」、だそうです。本体の「黄金の精神」に影響されているのかもしれないですね。確か歴代主人公で唯一、誰も殺してないですし(まぁアンジェロと宮本輝之輔は死ぬよりきついかもしれないですが)。
- バッド・カンパニー<虹村形兆>
- 几帳面な本体の性格に影響されて、非常に統率された軍隊のスタンドが発現したと考えられます。
- エコーズ<広瀬康一>
- 能力が発現したACT1以降は、次第に精神的に成長してゆく本体にあわせてスタンド能力も進化していきます。
- パール・ジャム<トニオ・トラサルディー>
- 調理師である本体に影響されたのか、料理に混じって、食べた相手に影響を与えるスタンドです。
- ヘブンズ・ドアー<岸辺露伴>
- 漫画家の本体なのでそれに影響されて本にするスタンドが発現したのか、それとも漫画のネタをつかみたいという願望の現われか、どちらにもとれますね。
- キラークイーン<吉良吉影 >
- このスタンドが発現したことによって、本体の持つ殺人衝動を解消することが容易くなりました。その上、「平穏に生きたい」という本体の哲学に反映されたのか証拠の残りにくい能力でもあり、足がつきにくくなったために、捕まるかもしれないという恐怖感(「平穏」を妨げる感情)も薄れます。やはり、本体の変態性と精神に影響されているんでしょう。
「第3の爆弾」バイツァダストは、本体の「逃げ切りたい」という意思から、「自分を追う者を自動で始末する能力」になったようです。<賢さんの御意見>&JC45巻P137
また、「第3の爆弾」バイツァダストは、発動の際に再び「矢」が本体に刺さったため、レクイエムであるとも考えられます。
- シンデレラ<辻彩>
- 自分の子供の頃からあこがれていたシンデレラに出てくる魔法使いのように、他人の望みを制約付きで叶える能力です。
- ボーイ・ツー・マン<大柳賢>
- ヘブンズ・ドアーで読まれても全くスタンド使いの自覚が無いときから岸辺露伴にジャンケンを挑んでいた事から、本体は生来のジャンケン好きで、能力がそれに影響されたんでしょう。
- ハイウェイ・スター<噴上裕也>
- 発現当初は、生死の境を彷徨っていた本体に「養分」を送るために自動的に行動していました。これは「生き延びたい」という本体の潜在意識(本能)であるとも考えられます。
- スーパー・フライ<鋼田一豊大(偽名)>
- どうやら時期的に「矢」で撃たれてスタンド使いになったわけではないようですが、鉄塔を買い取って住み始めたことによって「精神の才能」であるスタンドが発現したんでしょう。どんな才能なんだよ、この能力は(笑。
- エニグマ<宮本輝之輔>
- 「恐怖を観察する」のが好きな本体の異常な性格に、能力が発動する条件が影響されています。
- チープ・トリック<乙雅三>
- ヘブンズ・ドアーで本体を読んだときの「他人に背中を見られたくない」という文面は、「見られてはいけない」となっていない事から推察するに、恐らく自らのスタンドの囁きによって「背中を見られてはいけない」という事を知る前からの本体の思いなのでしょう。
そして、背中を見られたくないという思いと、精神面であまり強くないことにより、こんな能力が発現してしまったのだと思われます。
- ゴールド・エクスペリエンス<ジョルノ・ジョバァーナ(汐華初流乃)>
- 本体の持つ「黄金の精神」と、随所で見られる強靭な精神力が、「生命を生み出す」というある意味神にも匹敵するような能力に影響されているんでしょう。
- ブラック・サバス<ポルポ>
- ギャング組織への入団試験も行っている本体に、より良い人材(スタンドの才能をもつ者)を選び抜く能力。まぁこの能力がはたして「矢」だけしか使えないのかは甚だ疑問ですが。もしかすると、矢を取り込んでレクイエム化しているのかもしれません。
- ムーディー・ブルース<レオーネ・アバッキオ>
- 過去を後悔し、過去の出来事に縛られ、現在も未来も既に捨ててしまっているような本体の生き様に影響されたのか、過去の出来事を「再生(リプレイ)」する能力。
- セックス・ピストルズ<グイード・ミスタ>
- 本体の持っている「銃の才能」が発現した能力なんでしょう。また、スタンド達の性格もミスタの性格を反映しているのでしょう。
- パープル・ヘイズ<パンナコッタ・フーゴ>
- 普段は理性的なのに内面に嵐のような凶暴性を秘めている本体の、その凶暴的な面だけを体現した能力。能力だけでなく、スタンド自体もそんな感じで、知性はあまり見られない。
- ベイビィ・フェイス<メローネ>
- 変態な本体の性格そのままのスタンド能力。
- キング・クリムゾン<ディアボロ>
- スタンドの額についているもう一つの小さな顔「墓碑銘(エピタフ)」は、1人の肉体に2人の人格が宿っている本体を表しているような感じがします。
- グリーン・ディ<チョコラータ>
- 人の苦しみや絶望の表情を見るのが好き、というマッドな性格が現れています。
- オアシス<セッコ>
- 本体の「原始的な才能」(主に優れた聴覚)を最大限に引き出せる能力。
- チャリオッツ・レクイエム<ジャン・ピエール・ポルナレフ>
- 本体が「矢」(未来への希望)を守りたいと思っているときに発現し、暴走しながらもその思いのために行動しました。守らなくても良い者からも守ってはいましたが。
- ローリング・ストーン(ズ)<スコリッピ>
- 彫刻家の本体に相応しく、石をベースに発動し、同じ彫刻家のミケランジェロの言葉どおりに「運命」にかかわる能力です。
- グーグー・ドールズ<グェス>
- 「他人を支配したい」という本体の願望を反映しています。
- ホワイトスネイク<エンリコ(ロベルト)・プッチ神父>
- 本体の実の妹であるペルラ・プッチが自殺した際に本体がその復活を強く願い、その想いに「矢」が反応。本体を刺した事で発現しました。そのため、ムーディー・ブルースが過去を振り返る能力なのに対し、この能力は過去を保存する能力になっています。
- ウェザー・リポート<ウェザー・リポート>
- ヘビー・ウェザーの能力は、本体の体験した悲惨な出来事によって生まれた、全人類へ向けられた潜在的な憎悪によって発動し、そのため無差別な能力です。
- ダイバー・ダウン<ナルシソ・アナスイ>
- 本体の持つ分解癖(症候群と呼んでも差し支えないほど程度の酷いもの)に影響されて発現したと考えられます。
- ドラゴンズ・ドリーム<ケンゾー>
- 本体が風水を極めた事で発動し、風水に基づいた能力です。
お、多過ぎ。まさかこんなにあるとは……。やはりスタンドは精神的なものですからねぇ。あと、レクイエムに関しては色々不明な点が多いんですが、「矢を支配」できた者たちは皆「強靭な精神力」を持っていることを付け加えておきます。
ちなみにレクイエム化したのは「シルバー・チャリオッツ」「ゴールド・エクスペリエンス」の2体。レクイエムの疑いがある(矢を取り込んでいるように見える)ものに、「キラークイーン”第3の爆弾”バイツァダスト」と「ブラックサバス」がいます。この2体については作中で描かれているシーンもかなり少ないので詳細不明です。
DISCによるスタンド使い
ストーン・オーシャンにでてくるタイプです。
そもそも「適性」がないとDISCが挿入できない( 「ホワイトスネイクについて」参照)ので、性格の描写がされていない者でも、能力との間に何らかの共通点があったと思われます。分かりやすいのは「自殺願望を持つ」サンダー・マックイイーン と、「他人を自殺の道連れにする能力」ハイウェイ・トゥ・ヘルの例ですね。
しかし、なぜか本体の服装とスタンドの外見が似ているものが2体存在します。ジャンピン・ジャック・フラッシュ<ラング・ラングラー>と、ヨーヨーマッ(DアンG)です。これはどう解釈すればいいのでしょう。
僕は、二つの意見を挙げたいと思います。
- 「元々「適性」(精神的共通点)を持っていたが故に、外見まで似通っていた」
- 「新しく得た能力に影響されて(あるいはワザワザ自分から真似て)そうなった」
- 「スタンドが本体に合ったデザインに修正された」<賢さんの御意見より>
1の意見をとると、同じ「適性」を持っている人間(その他の生き物、プランクトンとかは知らんけど)は、皆同じファッションをしていることになり、2だとしてもファッションをワザワザ変える必要も無さそうです。3ならば、以前( 「ホワイトスネイクについて」)書いた通りDISC化された能力は多少変化するようなので、外見だって変化したっておかしくありませんが、ラング・ラングラーの服装は無重力に対応した服装(つまり能力を得る前には違うファッションだった)らしいので、恐らく3つの要素全てが関係しあっているんでしょう。
もともと無重力に備えた服装を好んでいて、それがスタンド能力と適応した……なんて事を言い出したらきりが無いのでやめましょう。
結論からすると、スタンド・本体の外見・精神面、の3つは、お互いに影響を及ぼしあっている感じですね。ただ、先に特殊な例を除いては、スタンドからその他への影響の度合いは低い(というより、そもそもその他に影響されてスタンドが在る)みたいですね。
なんか今回はコラムというよりも単なるリストなんで、あんまりツッコミどころも無さそうですが、在りましたら 掲示板か メールにてお願いします。
また、「ハイエロファントグリーン」と「アース・ウインド・アンド・ファイヤー」について、炉心(仮)さんの 無限時空力炉にとても面白い意見があります。特に「アース・〜」のほうは、ココの文章を読んでホントに目から鱗が落ちたような感じですので、参考までにリンクさせて頂きます。
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